俳優の仕事は楽しい / È divertente a lavorare come un‘attrice

 しょうもないタイトルだけど最近感じていることはこれである。

今は1014日土曜日午後19時半、本当は夕飯の買い物に行ってケチャップを買い、自分のためにオムライスを作らないといけないのにこの文章を書き出してしまっている。オランダに着いたのがちょうど917日だったから、そろそろ1ヶ月が経とうとしている。この1ヶ月何をしていたかと言うと、ひたすら平日はリハをしていた。だけどリハの時間帯は朝の10時から午後17時までという、至って余裕のあるスケジュールで、日によっては演出のVanjaがちびちゃんの幼稚園のお迎えのため16時に終わる事もある。ここに来るまでは、17時までリハしてその後たっぷり1人の時間があってどうしよう、映画見まくれる、ていうか映画見ないと時間潰せないかもくらいに思っていたが、17時に終わって家に帰ると頭も体もヘトヘト、それだけ新しい情報を毎日脳にインプットしているんだと思う。


こうやってオランダで英語でリハしてる、とか言うとりのさん英語できるんですねと思われるかもしれないけど、実際かなり怪しい。すごく正直に考えると、実際みんなの言ってることに 60%着いていけてるといいな、という感じ。わたしは8年前にイタリアに引っ越してから日々の生活は100%イタリア語だし、イタリア人はその場にたった1人イタリア語わからない人間がいたとしてもイタリア語で喋る人たちなのでわたしはイタリア語を習得する以外の選択肢はなく、この8年間で英語が上達する可能性もなかった。なのだが一つだけ、イタリア語を習得したことで英語を話す上でも役立った事があって、それは言いたい事があるときは何も考えずとりあえず話し出してしまう勢いがついた、ということだ。

イタリア人はとにかく喋る。でかい声で喋り倒す奴がその場を支配する。だからそいつらと渡り合うためには、こちらも喋りまくるしかないのである。

とか言ってもイタリアでのわたしなんて超大人しい。ほぼ100%そんなイタリア人達に囲まれて生きているのだから無理もない。だけどわたしは今オランダにいて、作品を作っていて、そして演出家は俳優とクリエーションしたい、と言った。わたしは俳優としてここに参加していて、この作品は文化間の違いやその摩擦や違いを乗り越えられるのか、そういったことをテーマにしていて、そのテーマに関してはわたしには言いたいことが山ほどあるのである。


だからアイデアを出しまくってね、お願い!とちゃんと言われたわけではないのだが、日々アイデアを出しまくった。でもこのあたりから、自分と他の共演者たちとの背景の違いを感じたりもした。わたしはずっと快快で共同制作をしてきて、作品作りの頭から終わりまでみんなで話し合って決めてきて、その中で大体自分のシーンは自分で作るし、とにかくアイデアを出しまくる、という感じでやってきたからそういう作品の作り方しか知らない。作品制作中はとにかくいつも頭をフル回転させてなんかもっといいアイデアはないものかと血眼だし、わたしにはそのアイデア出しの時間が作品作りの中で一番好き。(その次に好きなのはテクリハの時間)でも注意しようと思ったのは、これはただのアイデアで演出をするVanjaに決定権があるよ、と常に付け加える事だった。むしろそれを付け加えて理解さえしていればアイデアを出しまくり出したアイデアを捨てられまくることを恐れない、と心に誓ったのだった。バカだと思われてもかまやしない、ということも心に誓った。実際英語が拙いからどうしたってバカっぽいのだ。そしてわたしの見た目や態度はどう見てもどっちかというとバカっぽい。だけどそれでいい。それを隠そうとして言いたい事が言えないよりマシだ、だってわたしにはもうこうやってオランダで俳優としてこんなに自由に作品作りに参加できる機会は一生ないかもしれないんだから、やりたいようにやりきって大好きな作品にしたいのだ。


そんなこんなでこの3週間ほど、本当に楽しかった。拙い英語でみんなと話し合ってた時も(英語がわからなすぎて軽く落ち込んだりもしながらも)インプロでいろいろやってみてた時も本当に楽しかった。そして今週、とうとう台本の1部がfixされた。3部構成になる予定で、その中で一番長い第一部の台本ができたのである。今は初日の3週間前、なのでここからアイデア出すのは休み休みにして、俳優の仕事をしなきゃいけない、台詞を覚えて演技をシャープに(演出のVanjaがよくそう言ってる)していく。わたしの偏った経験から言うと、3週間も俳優の仕事だけできるなんてすごい。(快快の場合本当に直前まで脚本を直すので)しかも正直今まで、演技をシャープにする作業をたくさんする(つまり俳優の仕事をする)ってことを考えた事があんまりなかった。こうやって書いているとやっぱり自分は俳優なのかあやしいと言う気持ちになってくるし、何年も舞台に出てきたのにこんなこと言っててほんと呆れるけど、この3週間でどんだけ自分や共演者のみんなの演技がシャープになってしまうんだよ…?と思うと楽しみでしょうがない。


と言うわけで、ご飯を食べてから、英語日本語イタリア語オランダ語の混ざった台詞を覚えなくちゃいけないので、このへんで、今回もやはり全くサラッと書けなかったですね。次回からはもうちょいこまめに、そしてサラッと書くことを心がけます。

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